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水増し増資容疑、元トランス社役員を逮捕(読売新聞)

 情報システム開発会社「トランスデジタル」(本社・東京都港区)の民事再生法違反容疑事件で、同社が2008年に実施した第三者割当増資の一部が架空増資だった疑いが強まり、警視庁と証券取引等監視委員会は8日午前、同社元役員西村幸浩容疑者(43)を金融商品取引法違反(偽計)などの容疑で逮捕するとともに、トランス社社長で民事再生法違反容疑で逮捕された後藤幸英容疑者(44)ら4人について金商法違反容疑で逮捕状を取った。

 また、旧グッドウィル・グループによる脱税事件で東京地検特捜部に逮捕、起訴された投資事業会社の元代表取締役鬼頭和孝被告(35)についても、架空増資に関与した疑いが強まり、同容疑で9日にも逮捕する方針。

 捜査関係者によると、西村容疑者らは、2008年7月下旬、実際には新たな資金を調達していないにもかかわらず、第三者割当増資で資金を調達したとする虚偽の事実を投資家らに公表した疑いが持たれている。調達済みの資金をいったん社外に流出させ、再び増資として還流する「水増し増資」の手法をとっていたという。

 トランス社が発行した新株予約権の割当先は、鬼頭被告が実質支配していた「TD戦略投資事業組合」になっていた。警視庁などは、鬼頭被告と、トランス社の経営に深く関与していた金融ブローカー黒木正博容疑者(44)(民事再生法違反容疑で逮捕)の2人が架空増資を主導したとみている。

 同社は同8月27日、最終的に計13回にわたって同組合を割当先とする第三者割当増資を実施し総額31億3000万円を調達した、と公表したが、翌28日と29日の両日、振り出した小切手などが不渡りとなり、9月1日、東京地裁に民事再生手続きを申し立てていた。

 ◆第三者割当増資=企業が資金調達などのため特定の第三者に新株を発行する手法。一般投資家を広く対象とする公募増資と異なり、事前に株の引受先を特定する。2004年に「丸石自転車」や老舗和菓子メーカー「駿河屋」が摘発されるなど、経営健全化を装った架空増資事件も起きた。

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